マンションを購入したけど、ご主人の転勤や転職で売却することになった、子供たちが結婚して家を出たので小さい家に買い替えたい、などの理由でマンションを売却することになる方もいらっしゃいますよね。
しかしいざ売りに出してみたら、なかなか売れない、と悩んでいる方もかなりいます。
実際、平成15年と平成25年を比べると、25年のほうが「売却した」という人が10%減り、「そのまま所有」という人が20%近く増えています。
中には、賃貸物件として貸しに出しているということもありますが、売却できずにそのまま所有しているという人が増えていることも事実です。
では、マンションが売れない理由には何があるのでしょうか。また、売れるようにするためには何をしたらいいのでしょうか。
マンションが売れないでいると、たとえローンが払い終わっているとしても、0円で所有することはできません。マンションを所有していると、所有者には固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金などの費用が発生します。
例えば、築40年のマンションであれば、固定資産税と都市計画税だけでも、年間10万円ほど費用が発生します。管理費と修繕積立費はマンションにもよりますが、平均で月3万円ほどかかります。つまり、所有しているだけで、年間50万円弱費用が発生することになります。
もしローンが残っている場合は、これに加えて毎月ローンの返済があります。売却できない期間が長引けば長引くほど、費用がどんどんかさんでしまうんですね。
では、マンションが売れない理由としては何があるのでしょうか。
マンションが売れない理由の1つ目としては、不動産会社を選ぶ時点で失敗しているということです。
・不動産会社の知名度が低く、マンションの情報があまり世に出ていない
・不動産会社の営業力が低く、マンションの価値が伝わっていなかったり成約に結び付けていない
・不動産会社の価格設定が高く設定されてしまっている
などで、マンションが売れていない可能性があります。
不動産会社の知名度は一概には言えず、知名度が高くなくてもその地域に強い不動産会社であればマンションが売れる可能性は十分にあります。しかし、知名度も高くなく、その地域に強い不動産会社でもなければ、マンションの情報があまり世に露出せず、マンションを買いたいと思っている人の目になかなか留まっていない可能性があります。
また、マンションの情報が出ていたとしても、不動産会社の営業力が低いと、マンションの良さが伝わらず、成約に結びついていない可能性もあります。マンションを購入するというのは、人生の中でもかなり大きな決心が必要です。価格も含め購入者にとって100%満足する物件、というのはほとんどありません。しかしデメリットをカバーできるメリットをしっかり説明できれば、購入検討者の背中を押すことができます。
マンションの価格設定が間違っている場合も、なかなか成約に結びつかないでしょう。マンションの価格を決める際、もちろん正解はありませんが、市場の相場からかけ離れているのも問題です。売り手からしたら少しでも高く売りたいので、不動産会社から提案された価格が高いほうが嬉しいですが、きちんと相場に合った価格を設定してくれる不動産会社を選ぶことが大切です。
解決策
解決策としては、もちろん不動産会社を変えることです。契約の種類にもよりますが、長くても3ヶ月で契約を変えることができます。
きちんと知名度のある不動産会社や、知名度がなくてもその地域に強い不動産会社を選ぶことが大切です。また、営業担当の方の雰囲気も大切です。返信が早い、親身になって話を聞いてくれる、など、きちんと営業をしてくれるかどうか、査定を依頼した際などに見ておくようにしましょう。
理由1にもありましたが、価格設定が間違っている場合、情報を見てもらったり内覧に来てもらっていても、なかなか成約に結びつきません。中古でマンションを購入している人は、できるだけ安くマンションを購入したいと思っています。
マンションの価格は、築年数や間取りなどのマンション自体の条件だけでなく、周辺環境によっても変動します。購入した当時よりも、マンションがあるエリアの価格が下がっていることもあります。
解決策
解決策としては、適正価格に価格を下げることです。ただやみくもに下げればいいというわけではなく、適正な価格を知る必要があります。
周辺の他のマンションの価格は、「レインズ」などで検索することができます。レインズは不動産業者の人しか見ることはできませんが、売り出し価格ではなく成約価格まで見ることができます。他のマンションと比べて、どのくらい価格が高いか、どのくらいが適正な価格か調べてもらい、価格を下げるようにしましょう。
マンションは一戸建てと比較しても、管理費、修繕積立費が高く設定されています。マンションの購入を考えている人は、マンション自体の価格だけでなく、管理費や修繕積立費などのランニングコストも含めて検討しています。他にも、駐車場代、火災保険料など、全て含めると高額になっている場合もあります。
解決策
解決策としては、管理費や修繕積立費を変えることはできないので、それを考慮したマンションの価格に変更するのがおすすめです。
ランニングコストは少しかかるけど、マンション自体の価格が低ければ毎月の支払いは抑えることができます。
管理費や修繕積立費など、「レインズ」で周辺のマンションと比べてどれくらい高いか調べ、その分マンションの価格を下げるようにしましょう。
マンションを内覧してもらうには、マンションに興味を持ってもらい、魅力をしっかり伝える必要があります。そのためには、情報掲載している媒体に、しっかり写真や情報など載せる必要があります。外見や室内写真に清潔感はあるか、物件の詳細をきちんと載せているか、など、購入検討者がマンションを購入した際の生活がイメージできるように情報を載せることで、購入につながりやすくなります。
解決策
まずは購入検討者が内覧に行きたくなるような写真や情報を掲載することです。築年数が古い場合でも、キレイに掃除をして少しでも清潔感のある写真を載せることで、興味を持ってもらいやすくなります。
また、アクセスや周辺環境についてもしっかり載せることで、購入した後の生活をイメージしやすくなります。もし駅から遠かったりアクセスが悪い場合でも、それをカバーできるような周辺環境のメリットなどしっかり載せることが大切です。
内覧に来てくれる人がいるのに成約に結びついていない場合、部屋の状態が悪いということも考えられます。きちんと掃除をしているかどうか、壁や床にリフォームは必要ないか、水回りや玄関など清潔感があるかどうか、大切になってきます。
窓の近くに物があると日当たりが悪く見えたり、物が多いと狭く見えたりします。
内覧の申し込みがあるということは、興味を持っている状態ではあります。成約に繋げるためには部屋の状態をよくしておく必要があります。
解決策
内覧に来てくれた人が好印象を持ってもらえるよう、掃除が行き届いていない場合は掃除をしましょう。壁や床の痛みがひどい場合は事前にリフォームするのもおすすめです。キッチンやお風呂のリフォームは金額が高い上、好みがハッキリ分かれるため、事前にするのはおすすめできません。もしリフォームが必要そうな場合は、その費用分のマンション価格を抑えるなど工夫することで、成約につながりやすくなります。
マンションがなかなか売れない、そんな悩みを抱えている方は年々増えていると言われています。マンションが売れるためには、不動産会社の協力も必要ですし、マンションの状態をよくしておく、ということも大切です。価格設定も大切で、マンション自体の価格、管理費や修繕積立費などの費用を含め、購入検討者が躊躇して購入を見送ってしまう価格になっていないか、一度確認するようにしましょう。