マンションを売却する際、価格を決める基準の1つになるのが査定です。この査定をもとに、売り出し価格を決めていくので、できるだけ高い査定金額を引き出せたほうが、その後高い金額で売りやすくなります。
では、マンションの売却査定で、より高い査定金額を引き出すためのコツはあるのでしょうか 。
マンションの売却査定は、下記のような流れで行われます。
まず、査定してほしい不動産会社に、査定の依頼をします。
査定の際、一社にだけ依頼する人もいますが、あまりおすすめできません。できれば3社以上の複数社に依頼するようにしましょう。というのも、査定金額は不動産会社によって変わってきます。中には、契約を取りたいがために、あえて高い査定金額を出してくる不動産会社もいます。しかし喜んでその会社に依頼したとしても、相場より高い金額では結局売れず、価格を下げることになってしまいます。
そういった不動産会社に引っかからないためにも、複数社に依頼して、だいたいの相場を知る必要があります。
また、不動産会社によって得意なエリア、不得意なエリアがあったりするので、複数社に依頼し、自分でもしっかり相場を知るようにしましょう。
依頼の連絡をしたら、実際に家に来てもらうために日にちを決めましょう。
もしすでに引っ越していたりして空き家の場合、その場で色々確認できるように立会いを求められることがあります。その場合はしっかり応じるようにしましょう。
日にちを決めたら、実際に家に訪問してもらい、現地調査してもらいましょう。
現地調査では、日当たりや設備状況、管理状態、内装の傷み、共有部分の充実度などを見られます。実際に見ないと分からない細かいところを調査してもらいます。
マンションを売却する上で、事前に用意しておきたい書類を確認してもらいます。
マンションを売却する時には、売買契約書や登記簿謄本などが必要になります。分からないことがあれば不動産会社に質問するようにしましょう。
不動産会社から、実際に訪問してもらった上で、査定金額がいくらになったか報告してもらいます。
その際、どうしてその金額になったのか、しっかり確認するようにしましょう。細かいことを考慮して査定してくれている不動産会社は信頼できますし、担当者の力量を判断することができます。
では、不動産会社は査定をする際にどういったポイントをみているのでしょうか。
マンションの査定に最も大きく影響するのが、立地です。駅から歩いて何分か、もし駅から遠い場合は周りにスーパーやコンビニなどがあるか、子育て世代にとって住みやすいか、といったことが見られています。
その立地で、どの広さのマンションが人気かどうか、ということを考慮し、間取りや平米数が査定額に影響します。ファミリー層であれば3LDKなど、学生や単身者が多いエリアであれば1Kや1DKなどが人気となり、査定額にいい影響を与えます。
トイレとお風呂は別か、キッチンやトイレなどの設備は古くないか、クローゼットは広いか、宅配ボックスがあるか、など、設備がいいほど査定額が上がります。
築年数はもちろん浅いほうが査定額は高くなりますし、「旧耐震基準」のマンションは査定額が落ちてしまいます。ただし、耐震補強工事をしていれば査定額は上がります。
また、建物の構造の種類だと、鉄骨鉄筋コンクリート造が一番査定額が高く、次に鉄筋コンクリート造、続いて鉄骨造、となります。
きちんと定期的に修繕が行われているか、エントランスなどの共有部分の掃除は行き届いているか、管理人が常駐しているかどうか、などの管理状態が見られ、査定額に影響します。
壁や床に傷や汚れが多かったり傷んでいると、査定額が下がってしまいます。
では以上のことを踏まえて、実際の査定の際にどういったことをアピールすれば高い査定額が引き出せるか確認しておきましょう。
マンションの査定では、立地が大きく影響します。主要な駅が最寄り駅だったり、駅から近いということは大きなアピールポイントになりますし、そうでない場合、周りにどういった施設があるか、治安はどうかといったことをアピールポイントにしましょう。子育て世代であれば公園などが近いと好まれますし、周りにあまり何もない場合、閑静な住宅街、ということでゆっくり静かに暮らしたい方に向いている、ということをアピールしましょう。
室内状況では、床、壁、水回り、収納、玄関、を主に見られています。
もしリフォームを行っている場合はそれをアピールするようにしましょう。汚れがある場合は、査定前にクリーニング業者にクリーニングを依頼することで、かなりキレイになります。収納が広い場合はそのアピール、水回りの設備がいい場合はそのアピールをしっかりしましょう。
築年数から判断されることが多いですが、1982年までに建てられたマンションは旧耐震であることが多く、査定額が下がってしまいます。もし1982年までに建てられたマンションの場合、耐震対策はどうなっているか確認しておくようにしましょう。
エントランス部分や駐車場などの共有部分がキレイに保たれているかどうか、共有のゴミ置き場がある場合は掃除がされているか、といったことが査定額に影響します。共有部分は個人では対応しきれませんので、管理会社に連絡して、早めの対策をお願いするようにしましょう。
日当たりや風通しがいい部屋は査定額が高くなります。角部屋、南向き、階数が高いほうが査定額が高くなるので、該当する場合はしっかりアピールしましょう。また、南向きでなくても日当たりがいい場合や、窓が大きく風通しがいい場合などはアピールポイントになります。
不動産会社に査定してもらう際、できればマイナスになるポイントは隠しておきたいですよね。例えば、実は夜になると騒音がある、事故歴がある、といった「実際に住まないと分からないマイナスポイント」は、その場では隠したくなります。
しかし隠しておいて後で発覚した場合、それは「瑕疵担保責任」として責任を問われることになります。瑕疵担保責任とは、物件の売却の際には気づかなかった欠陥について、売主が負う責任のことです。本来は配水管の劣化など、目に見えずに売主も買主も気がつかなかったような欠陥に対して責任を負うことが多いですが、意図的にマイナスポイントを隠していたような場合、最悪裁判に発展したり、損害賠償金を請求されることになることもあります。査定の時点で何か知っているマイナスポイントがあれば、隠さず話すようにしましょう。
マンション売却の査定では、立地や設備、築年数、日当たり、管理状態などがチェックされることになります。
実際に家に訪問してもらって査定される際、アピールポイントがあればしっかりアピールすることで、査定額が高くなることも十分あり得ます。
逆に、マイナスポイントがある場合、話せば査定額は低くなってしまうかもしれませんが、後々瑕疵担保責任を問われて損害賠償を請求されたりしないよう、正直に話すようにしましょう。