マンション売却をする際、購入検討者が値下げを希望した場合、値下げ要求されることがあります。というより、ほとんどの場合、値下げ要求されることになります。
できるだけ高い金額で売却したいという気持ちはあるでしょうが、あまり強気な態度で交渉を断っていると、売却のチャンスを逃すことになりかねません。
では、値下げ要求をされた場合、どのように対処したらいいのでしょうか。
マンション売却をする際、相場を見るのに不動産情報サイトを見ることもあるでしょう。
そこでは「売り出し価格」が表示されていますが、その価格と実際に成約した時の価格は別になります。というのも、多くの場合購入希望者から値引き交渉が入るためです。
統計的には、成約価格は売り出し価格の70~88%程度になることが分かっています。もちろん中には値引き交渉されず売却できる物件もありますが、多くの場合1割以上は値引きして成約していることが分かります。
以上のことから分かるように、中古マンションの売買において、値下げ要求は当然のこととして行われています。値下げ要求を避けるということは難しいので、値下げ要求はあるものとして最初から想定し、売却計画を立てるほうがおすすめです。
値下げ要求されたらどうしていいか分からない、値下げ交渉なしに売却したい、という方も多いですが、値下げ交渉は悪いことばかりではありません。
値下げ交渉をしてくる、ということは、購入の意欲があるということの表れでもあります。
まったく興味のない物件や、購入する気のない物件にたいして値引き交渉するということは考えられません。もしかしたら他にも候補の物件があり天秤にかけているかもしれませんが、興味を持っているということは確かです。
ただ、値下げ交渉をしてくる人の中には、購入したいけど本当に予算オーバーという人と、予算内だけどダメ元でとりあえず値引き交渉しているという人がいます。どちらのタイプなのか見極めることが大切で、本当に予算オーバーの人は値引き交渉に応じないと購入を見送られてしまいますし、予算内の場合は要求金額ほど値引きしなくても購入してもらえる可能性が高いです。そのあたりは、不動産会社の担当者がある程度知っていることもあるので、聞きだせるような関係性を築いておくといいでしょう。
値下げ要求を避けられないのであれば、できるだけ値下げ金額を抑えたい、と思うのが普通ですよね。
例えば、3,500万円でマンションを売りに出していて、3,300万円に値引きしてほしい、と交渉されたとします。その場合、いったん3,400万円なら応じられるけど、それより下げる場合は少し考えさせてほしい、と保留にします。もし1か月程度待ってみて、他に購入希望者が現れなければ、3,350万円で提示してみましょう。
マンション売却の値引き交渉では、お互いに歩み寄ることが大切です。もし多少金額を下げてでも早く売却したい、という場合は応じて売却するのも手ですが、できれば高く売りたいという希望がある場合は、値下げ交渉に応じつつ、金額は相談しながら決めるようにしましょう。
中古マンション売却において、値下げ要求は当然のことと思っておかなければなりません。そのため、売り出し価格を決める時に、それを考慮しておくことで、値下げ要求に応じやすくなります。目安としては、いったん決めた売りたい価格に1割増すイメージです。
もし4,000万円で売却したい場合、4,400万円を売り出し価格にしておきます。もし値引き要求されても4,000万円までなら応じることができますし、それ以上で売却できたとしたらラッキーです。
ただ、だからといって最初からかなり高くして売り出し価格を設定してしまうと、そもそも見向きもされなくなってしまいます。値引き要求のことを見越して高く設定する場合でも、1割程度にとどめておきましょう。
マンションを売却する時は、基本的に内覧を行います。内覧をせずに購入を決める人はいないでしょう。
しかしその内覧の際、値引き要求の理由にされるポイントを探されないようにすることも大切です。
例えば、キッチンなどの水回りが汚れている、壁紙や床が傷だらけ、タバコやペットのニオイが染みついている、といったマイナスポイントになることは、値引き要求の理由にされやすいです。「キッチンが汚れていてクリーニングが必要なので、その分値引きしてほしい」「壁紙や床が傷付いていて張り替えなければならないので、その分安くしてほしい」そういった風に言われてしまうと、購入希望者の要求に応じなければならない空気になってしまいます。そうならないためには、内覧の前にはキレイに掃除をし、水回りなどはクリーニング業者にクリーニングを依頼しておくのがおすすめです。
立地がいいマンションや、条件のいいマンションは人気があり、資産価値も下がりにくいです。そういったマンションは、売却に出すと問い合わせも多くなるでしょう。
例えば、売却に出して1週間で複数件問い合わせが来るようであれば、人気のマンションと思っていいでしょう。そのような人気のマンションは値下げ要求されずに成約することもあります。
購入希望者が現れてもすぐに成約を決めず、様子を見てもいいでしょう。ただ、あまり待たせてしまうと購入意欲が下がってしまったり、売却のチャンスを逃してしまう可能性もあるので、様子をみるのは1カ月程度にしておきましょう。
中古マンションを売却する際、値引き要求されるのは基本と思っておくといいでしょう。値引き要求に応えすぎると希望価格から離れてしまいますし、強気な態度でいると売却のチャンスを逃してしまいます。
上手く値引き交渉に応じるためには、あらかじめ売り出し価格を少し高めに設定しておき、余裕を持たせましょう。また、値下げ要求の理由を増やさないためには、内覧の際に部屋をキレイにし、クリーニング業者に依頼してクリーニングもしておきましょう。