マンション売却をする際、思ったように売れなかったり反応が薄い場合、不動産会社から値下げを提案されることになります。では値下げは本当に必要なのでしょうか。また、値下げをするのに最適なタイミングや金額はあるのでしょうか。
マンション売却はもともとの金額が大きいので、値下げも数十万円、または百万円単位で値下げを提案されます。しかし提案にのってばかりいると、思っていた金額とはかけ離れてしまい、後悔の残るマンション売却になってしまいます。
そうならないためにも、あらかじめ値下げに対してもスケジュールを立てておくのがおすすめです。
値下げをするタイミングは、結論から言ってしまうとケースバイケースになってしまいます。というのも、マンション売却は人によっては「○ヶ月以内に売らないといけない」というような期限が決まっていることがあるからです。もし期限が決まっている場合、それに合わせて値下げのスケジュールを組む必要があります。
もし期限が決まっていない場合は、1つの目安として3ヶ月は様子を見て、3ヶ月経ったら値下げをするのがおすすめです。
下記は東京カンテイの資料で、首都圏における直近10年に売りだしたマンションが、売却までにかかった期間を示しています。
項目/成約までの期間 | 1ヵ月以内 | 2ヵ月以内 | 3ヵ月以内 | 4ヵ月以内 | 5ヵ月以内 | 6ヵ月以内 |
事例割合 | 39.6% | 55.5% | 67.3% | 76.3% | 82.3% | 86.7% |
1ヶ月で売れる物件は半分にも満たず、3ヶ月経つ頃には7割近くのマンションが売れることになります。そのため、3ヶ月経っても売れていない場合は、値下げを検討してみるのもいいでしょう。
もし3ヶ月経っていないのに、すぐに値下げを提案されても、応じる必要はありません。不動産会社としては、早く売却して売り上げを立てたいため、こまめに値下げを提案してくるかもしれませんが、値下げ以外の売却戦略がない不動産会社は、正直あまり優秀な不動産会社ではないでしょう。基本的に、マンション売却において不動産会社との契約は3ヶ月で契約更新となります。もし値下げばかり提案してくるような会社なら、3ヶ月のタイミングで契約終了し、他の不動産会社と契約するのがおすすめです。
もしお問い合わせがあったり、内覧まで進む人がある程度いる場合は、すぐに値下げをするのはもったいないです。内覧に来るということは、マンション自体には興味があり、購入意欲もある状態です。金額が気に入らなかったら、わざわざ内覧にも来てもらえません。
購入も検討していたけど、内覧してみたら少し違った、ということが原因になっている可能性が高いので、内覧時に何か購入意欲にブレーキをかけていることがないか、一度確認してみましょう。
対して、お問い合わせも少ない、内覧にも来てもらえない、という場合は値下げをして興味を持ってもらうことも大切です。
もし同じ地域で、同じ間取り、同じくらいの築年数のマンションが他にもある場合、価格がいくらで出されているか見てみましょう。周りのほうが圧倒的に安い場合、どうしてもそちらにお客さんが流れてしまうので、値下げをしたほうが売却につながりやすくなります。
しかし周りと比べて高くない、むしろ安いくらいであれば、そのまましばらく様子を見るのがおすすめです。
どうしてもライバルが多いと勝ち抜くのは大変なので、価格勝負になりやすいです。
日本では一番の引っ越しシーズンは2~3月の春、その次は8~9月の秋です。この時期は学校の入学や卒業、会社の入社や転勤が多いので、引っ越しシーズンとなります。
もしそれとは違う時期に売り始めたのであれば、引っ越しシーズンまで待って様子を見てから値下げをしてもいいかもしれません。引っ越しシーズンだと、安いマンションはどんどん先に売れますが、そうするとライバルが減るので自分のマンションも売れやすくなります。急いで引っ越し先を決めないといけない人も多く、少々高いと思っても決めてしまう人もいます。まずはそのシーズンまで待ってみるのもいいでしょう。
不動産の情報を見る人は、築年数である程度物件を絞って見ています。新しくてキレイなマンションがいい人は、築5年以内、10年以内で見るでしょうし、少し古くても安く買いたい、という人は20年、30年以内で見るでしょう。
もしこの築年数の節目が近づいている場合、どの築年数のカテゴリに入るのか、ということをしっかり見ておく必要があります。
例えば、築年数9年と10ヶ月のマンションを売りに出す場合、2カ月は築10年以内で売りに出せますが、2カ月経ったら築10年以内のカテゴリには入れなくなります。築10年以内でマンションを探している人には情報が届かなくなる、ということです。
もし築10年のうちに売りたいのであれば、1ヶ月で様子を見て値下げを検討し、早めに売ってしまうというのも手です。
ただ、あまりこまめに値下げをしていると、「このマンションはよく値下げをしているから、もう少し待ったらまた値下げをするかもしれない」と思われてしまい、売れにくくなる可能性もあります。
こまめに何度も値下げするのはよくありませんが、こういった節目が近い場合は、スケジュールをしっかり立てておきましょう。
では実際に値下げする際には、どれくらいの金額を値下げするのがいいでしょうか。
一番いいのは、売却価格を決める際に、次の値下げまで考慮して決めておくということです。
先ほどの築年数のように、例えば3,000万円以内で探している人は、3,000万円以内というカテゴリで絞ってマンションを探しています。しかし売り出し価格が3,100万円だったとしたら、最初は3,500万円、または4,000万円以内で絞って見ている人にアプローチすることができ、値下げで2980万円まで下げたとしたら、今度は3,000万円以内で絞って見ている、新しい層にアプローチすることができます。
こういったアプローチをするためには、最初の売り出し価格も重要です。なせなら、3,450万円で売り出していたら、値下げの時に450万円値下げしないと、アプローチする層を変えられないからです。
もし値下げによって、アプローチする層を変えられるのだとしたら、その金額を値下げするのがいいでしょう。
周辺に同じような間取り、築年数のマンションがあり、自分のマンションより安く売られている場合、どうしてもお客さんはそっちに流れてしまいます。
その場合は、周辺のマンションの価格に合わせて値下げすることで、成約に結びつきやすくなります。
あまり値下げしたくないからといって、10万円や20万円をじわじわ下げたとしても、あまりインパクトを与えることはできません。気になっているけどちょっと高いんだよな…と思ってくれている人がいるとしたら、100万円単位でグッと下がると目に留まりやすくなりますし、ここまで値段が下がったら他の人に先に買われてしまうかもしれない、と焦って行動にうつしやすくなります。
売り出し価格にもよりますし、何百万円も一気に値下げする必要はありませんが、インパクトを与えられるくらいの金額は下げるようにしましょう。
マンション売却が思ったように進まない場合、どうしても値下げを検討する必要があります。周辺の売りだしているマンションと比べて高い場合や、売りだし始めてから3ヶ月経た場合は値下げを検討してみましょう。
ただ、細かく何度も値下げをすると、まだまだ値下げするかもと思われてしまいますし、値下げしたことに気づかれない場合もあります。
売り出し価格にもよりますが、ある程度インパクトを与えられ、他の人に先に買われないように、と焦らせるくらいの金額を値下げすることで、売却がスムーズに進む可能性が高くなります。
実際にどれくらい値下げしたらいいか分からない、いつ値下げするのがいいか分からない、という方は、お気軽にお問い合わせください。