飼い主にとっては家族同然のペット。どの家族にとっても欠かせない存在ではありますが、ことマンション売却においては、頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
ペットを飼っていたことでマンションが売れないのではないか、安く値引きされてしまうのではないか、と心配される方も多いです。
たしかに、ペットを飼っていないマンションと比べると、ニオイや壁の傷、フローリングの爪痕、ダニなど、気にしなければならない点は多くなりますし、同じ条件で同じ値段のマンションなら、何となくペットを飼っていたマンションより飼っていないマンションのほうが印象はいいでしょう。
では、犬や猫などのペットを飼っていた場合、マンションは安くしか売れないのでしょうか。
では犬や猫を飼っていたマンションは、価格は下がってしまうのでしょうか。これに関してはケースバイケースで、例えばもともとペット可のマンションで、周りにもペットを飼っている人が多い、売る相手もペットを飼っている人にしたい、というような場合、ペットを飼っていたことはあまりマイナスポイントになりません。また、飼っていた犬や猫の種類、飼っていた期間によっても、マンションについたニオイや傷は大きく変わってきます。例えば大型犬を10年以上飼っているのと、最近猫を飼い始めた、というのでは、ニオイのつき方も傷のつき方も全く違ってきます。
もしマンション自体もまだ新しく、ペット
飼い始めて間もない、というような場合は、しっかりクリーニングすることで価格が下がることはある程度防げますが、築年数もかなり経っていて、大型犬を10年以上飼っていた、というような場合は、ニオイが壁に染み付いているため、価格を下げざるを得ないかもしれません。
ではマンションの価格をできるだけ下げないためには、どのようなことをしたらいいのでしょうか。
もし消臭クロスを貼ってあるマンションなら、消臭クロスを貼り変えることをおすすめします。消臭クロスであれば、その奥のコンクリート部分までニオイが染み付いていることはありません。貼り変えるだけでニオイはほとんど抑えられるので、貼り替えてしまいましょう。
もしソファやラグなど、ニオイがつきやすそうなもの、ダニがつきそうなものがあれば、買い換える、または捨ててしまうほうがおすすめです。もちろんペットを飼っている年月もよりますし、毛の抜けやすい抜けにくいは種類によっても違います。高級な家具や思い入れのある家具の場合は残しておいても大丈夫ですが、そこからニオイが出ている場合、やはり内覧の際の印象は良くないでしょう。引越しを機に捨ててしまえるものであれば、内覧までに捨ててしまうのもおすすめです。
消臭クロスも貼り替えた、家具も買い換えた、そんな場合でもニオイが残っている可能性があります。出来れば毎日換気をして、消臭スプレーなどで日々こまめに消臭するようにしましょう。
飼い主からしたら見慣れている抜け毛も、やはり人の家のペットだと気になるものです。抜け毛は特に清潔感を損ないやすいので、どんなに他が掃除されていても、抜け毛が何本か落ちているとどうしても目立ってしまいます。カーペットなどはコロコロを念入りに、他は掃除機を使ってこまめに掃除するようにしましょう。それでも毎日抜けるものなので、内覧の予定があれば前日、または当日の朝にも掃除するようにしましょう。
ペットを飼っていたマンション、ということで気にされやすいのが、ノミやダニです。特に小さいお子さんがいるご家庭などは、必要以上に気にする方もいます。
出来れば業者に依頼して、1度綺麗にクリーニングしておきましょう。
猫は壁や家具などに引っかき傷を作りやすいですし、犬はフローリングに爪痕が残りやすいです。では壁も床も貼り替えたほうがいいのかというと、それは買い手にもよります。壁や床はリフォームの中でも安いほうですし、好みの色や柄にしたいから、そのままにしておいてその分安くしてほしい、という人もいます。もしあらかじめリフォームしない場合は、その旨を不動産情報サイトに記載してもらうか、内覧者にあらかじめ伝えてもらうといいでしょう。
何も知らないで内覧に来て、思っていたより傷が目立っていた、清潔感がないから嫌、というような理由で購入を見送られてしまったら悲しいですよね。あらかじめ傷んでいるけどその分安くしています、という旨を伝えておけば、その心構えで内覧に来てもらえます。
内覧の時、ゲージに入れるか、出来ればお散歩に連れて行ったり人に預けたりして外出させましょう。特に犬は、知らない人に吠えたり、テンションが上がって飛びついたりしてしまいます。犬猫好きだったとしても、吠えられたら内覧の際に気になりますし、アレルギー持ちの人が内覧に来る可能性もあります。せっかく部屋を綺麗にしていても、アレルギーが出てしまったらやはり印象が悪くなってしまいます。
ペットを飼ってからすぐ売りに出すことになったし、部屋も綺麗にしているから、飼っていたことを内緒にして売却したほうが高く売れるのでは、と思いますよね。しかしペットを飼っていたことは隠さないようにしましょう。
もしペット不可のマンションで飼っていた場合も同様で、隠して売却することで後々トラブルになる可能性もあります。
もしペット不可のマンションだったのに飼っていたことを隠して売却し、後々バレてしまったら、損害賠償問題へと発展する恐れがあります。もちろん、ペット不可なのに飼っていたということは、何かしらのペナルティは覚悟しなければなりません。それでもあとから損害賠償問題になるよりはいいので、内緒にしないようにしましょう。
もし内覧者がペットを飼っているようでしたら、ペットにとってどんな環境なのかを説明すると喜ばれます。ペット病院や、預かってくれるところ、犬なら散歩コースや公園がどこにあるのかなど、住んでいた人の声はとても参考になります。特に病院は、引越し先でどうしようか悩む方も多いので、紹介すると喜ばれるでしょう。
犬や猫などペットを飼っていたマンションは、一般的には価格が下がるというイメージがあります。不動産会社によってはそれを理由に安い査定額を提示してくるところもあるでしょう。
しかし、ペットを飼っていたということは必ずしもマイナスにはなりません。次に住む人もペットを飼っている場合、周辺環境をアピールることもできますし、きちんとハウスクリーニングすればニオイもかなり取れます。
ただ、ペットを飼っていたことを隠して売却するのはよくありません。後々トラブルになるかもしれないので、例え飼っていた時期が短かったとしても、きちんと表記するようにしましょう。