マンションを購入する際、ほとんどの人がローンを組んで購入しますよね。しかし仕事の都合やライフスタイルの変化によって、マンションを売却して引っ越しをすることになる場合もあります。
では、住宅ローンが残っている状態であってもマンションを売却することはできるのでしょうか。
住宅ローンがまだ残っていて返済中の場合でも、マンションを売却することができるのでしょうか。結論から言うと、ローンを返済中であってもマンションを売却することはできます。むしろ、ローンを支払い終わったマンションを売却する人は珍しく、ほとんどの人がローンを返済中でしょう。
そのため、ローンを返済中であっても問題なくマンションを売却することができます。
ただ、ローン返済中のマンションを売却する際には、条件が1つあります。
それは、マンションの売却ができたら、残りのローンは一括で返済する必要があるということです。
ではどうしてローンを一括返済する必要があるのでしょうか。
マンションを購入する際、一般的には抵当権というものが設定されます。抵当権とは、金融機関などがお金を貸す際に設定するもので、もしマンションのローンが返済されなくなった際、マンションを競売にかけて返済にあてることができる担保のことです。
お金を貸すほうとしても、何も担保なしで貸すのはリスクがありますよね。しかしこの抵当権が設定されている以上、何かあった際には金融機関はマンションを競売にかけることができてしまいます。
マンションを売却する時は、この抵当権を抹消して外さないといけません。抵当権があると、新しい購入者がローンを組めないからです。
そのため、ローンの残りは一括で返済して、抵当権をはずさないといけないのです。
もしマンションが売却できたら、売却益をローンの一括返済にあてるのが一般的です。ただ、その時忘れてはならないのは、マンションの売却益は、純粋に売れた金額がそのまま手元に残るわけではないということです。
マンションを売却する時は、基本的に不動産会社に依頼して買い手を探してもらうことになります。買い手を探してもらうこと自体は基本的に無料ですが、もし買い手が見つかって契約を結んだ場合には、手数料として売却金額×3%+6万円がかかることになります。
例えば、3000万円で売却できたとしたら、96万円は不動産会社に支払うことになります。さらに、印紙税、登記費用などの諸経費がかかるうえ、引越し費用などもかかってきます。これらの金額を考慮しないでローンの返済ができるかどうかを決めてしまうと、後々お金が足りなくなってしまった、ということにもなりかねません。
ただ、売却金額が決まらないことには詳細の金額まで分からないので、まずはマンションを査定に出してみて、だいたいいくらくらいで売れそうか、というのを見てみましょう。
マンションを売却した売却益をローンの返済にあてたとして、もし金額が足りなくて一括返済出来そうにない場合はどうしたらいいのでしょうか。購入した時より売却する時のほうが高くなる、ということは滅多になく、それまで支払ったローンがあったとしても、マンションの売却価格によっては貯金を崩しても一括返済が出来ない、ということもあるでしょう。
しかし、どんな理由があったとしても、ローンは一括返済しなければなりません。
もし両親や親戚に借りることが出来るのであれば、借りて一括返済するのがいいでしょう。
もし売却した後新しくマンションを購入するのであれば、住み替え住宅ローンというローンがあります。住み替え住宅ローンは、今のマンションのローン残債と、新しいマンションのローンを一緒にすることができるローンです。
ただ、ローンの金額が増えるので、その分審査は厳しくなりますし、無理して借りるのはよくありません。すでにローンの返済が出来ていない状態で新しく借りることになるので、きちんと返済計画を立てないと後々しんどくなってしまうでしょう。
もちろん、きちんと計画的に借りるのであれば問題ないので、誰かに借りたりせずにローンにしたい方は住み替え住宅ローンがおすすめです。
ローンの一括返済が厳しいというより、すでに家のローン返済が厳しい、もしくは滞っているという場合、任意売却という方法があります。
抵当権が設定されている以上、ローン返済が難しくなると、金融機関は強制的にマンションを競売にかけることができます。競売にかけられると、相場よりかなり安い金額で取引されるうえ、家から出て行かなくてはならなくなります。それを避けるのが任意売却です。
任意売却では相場とほとんど同じ価格で売却できる上、ローン残債も無理のない範囲で返済できるように相談に乗ってもらうことができます。
もしすでにローン返済が厳しい場合は、任意売却という方法もおすすめです。
ローン一括返済の負担を少しでも軽くするためには、できるだけ今のマンションを高く売却することが大切です。
そのためには、まずいい不動産会社を探す必要があります。いい不動産会社を探すには、まず色んな不動産会社に査定を依頼することです。その中で、高い査定金額を出してくる会社もありますが、まずは平均的にどれくらいが相場なのかを確認しましょう。相場からかけ離れて高い金額を提示してきた不動産会社は、何か悪い意図がある可能性もあります。
例えば、高い金額を提示することで契約を結んでもらいやすくなりますが、結局は相場からかけ離れた金額では売れません。そのため、何度も値下げをすることになりますが、そのような方法で契約をとろうとしてくる不動産会社は、あまりいい会社とは言えません。
もちろんできれば高い金額を提示してくれた会社がいいですが、それだけではなく、どうしてその金額になったのか、どのような層にアプローチして売却しようとしているか、等、しっかり答えてくれる不動産会社がいいでしょう。
基本的には、ローンを返済中であってもマンションを売却することはできます。
ただ、その際はローンを一括で返済する必要があります。売却したマンションの売却益で支払えそうにない場合、お金を借りたり、住み替え住宅ローンなどを利用することになります。そうすることでマンション売却は可能になりますが、無理して後々しんどくならないよう、計画的に借りるようにしましょう。