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中古マンション購入、親から援助を受けたときの贈与税と非課税枠

購入2019.09.13

中古マンションを購入したい、けど資金が足りないので親から援助を受けたい、という方もいますよね。中古マンション購入時だけでなく、何か大きなお金がかかる時は、親から援助を受けることはあるでしょう。

しかし注意しなければならないのが、たとえ親子であったとしても、一定金額以上のお金を受け取ることは贈与にあたり、贈与税がかかってくるということです。


せっかく用意してもらったお金なのに、税金が高くついてしまってはもったいないですよね。

では贈与税はどれくらいの金額からかかってくるのでしょうか。また、中古マンション購入時においては、どのようにしたら税金を安く抑えることができるのでしょうか。

毎年110万円を超えたら贈与税の対象に

贈与税の非課税枠は、毎年受贈者1人あたりにつき、110万円までと決まっています。1月1日~12月31日までの間に、110万円までなら非課税で受け取ることができますが、それを超えると超えた分に対して贈与税がかかってきます。110万円まで、というのは受贈者1人あたりなので、例えば祖父と祖母からそれぞれ贈与を受けた場合は、合計金額が対象になります。

これを活用し、相続の時に相続税が高くならないよう、毎年子供や孫に110万円ずつ贈与している、という人もいるくらいです。


では110万円を超えたらどれらいの税金がかかってくるのでしょうか。

贈与税の税率は下記の通りです。


課税価格 

 一般税率(一般贈与財産)

特例税率(特例贈与財産)

200万円以下

10%

10%

200万円超~300万円以下

15%

15%

300万円超~400万円以下

20%

15%

400万円超~600万円以下

30%

20%

600万円超~1000万円以下

40%

30%

1000万円超~1500万円以下 

45%

40%

1500万円超~3000万円以下

50%

45%

3000万円超~4500万円以下

55%

50%

4500万円超~

55%

55%


 

特別財産贈与とは、直系尊属(父母、祖父母)から贈与を受けた場合で、受贈者が20歳を超えていることが条件になります。

それ以外は一般贈与財産としてカウントされます。

 

もし直系尊属から贈与を受けた場合、贈与税と手元に残るお金は下記のようになります。

 

贈与財産の価額

贈与税額

手元に残る金額

110万円

0円

110万円

500万円

48.5万円

451.5万円

1,000万円

177万円

823万円

2,000万円

585.5万円

1414.5万円


 

中古マンションを購入するから、ということで2,000万円の援助をしてもらったとしても、贈与税を支払うと手元に残るのは1,414万円になってしまうんですね。

 

では、贈与税を安く抑える方法はないのでしょうか。

相続時精算課税制度を利用する

相続時精算課税制度を利用すると、60歳以上の両親、または祖父母から20歳以上の子供または孫へ贈与する場合、2,500万円までの贈与が非課税になります。ただ、相続税の計算時に贈与した金額を足して計算するため、税金の支払いを先延ばしにしているだけ、ということでもあります。


メリットとしては、相続ではなく、自分たちのタイミングで資産を移行することができるということです。贈与のタイミングでは税金がかからないので、中古マンションの購入だけでなく、まとまったお金が必要になった時にとても有効です。

デメリットとしては、将来的には相続税として税金を支払うことになるので、ある程度財産を残しておかないと、相続税の支払いがきつくなるということです。

贈与した時点では税金がかからないので、丸々お金を使いたくなりますが、もし将来相続税がけっこうかかりそう、相続する財産が不動産や土地など現金ではないものが多い、という場合、相続税の支払いがきつくなるので、注意しておく必要があります。

住宅取得資金の特例を利用する

住宅取得資金の特例とは、親や祖父母から、子供や孫に住宅を購入するための資金として贈与する場合、最大で3,000万円が非課税となる制度です。非課税枠を超えた分に関しては、一律20%の贈与税がかかります。あくまで住宅購入のための資金なので、住宅を購入した、あるいは購入することが決まっていることが条件になります。

また、相続時精算課税制度と違うのは、相続税の対象にもならないということです。純粋に非課税で贈与ができる制度です。

 

非課税の金額は、購入する住宅によって変わってきます。

消費税が8%である場合

契約締結期間

質の高い住宅 

一般住宅

~2020年3月31日

 1,200万円

700万円

2020年4月1日~2021年3月31日 

 1,000万円

 500万円

2021年4月1日~2021年12月31日

800万円

300万円

 

消費税が10%である場合

契約締結期間

質の高い住宅 

一般住宅

2019年4月1日~2020年3月31日

3,000万円

2,500万円

2020年4月1日~2021年3月31日

1,500万円

1,000万円

2021年4月1日~2021年12月31日 

1,200万円 

700万円

 

 

質の高い住宅は、下記の条件に当てはまっている必要があります。

  • 耐震等級2以上または免震建築物
  • 断熱等性能等級4または、一次エネルギー消費量等級4以上
  • 高齢者等配慮対策等級3以上

 

この住宅取得資金の特例は、毎年110万円まで非課税、という制度と併用することもできます。

親子間融資という方法も

もし中古マンションの金額が高く、非課税枠が足りない、という場合、贈与ではなく親子間融資という方法もあります。

どっちみち金融機関からお金を借りてローンを組むなら同じではないか、と思うかもしれませんが、大きく違うのはローンの事務手数料や金利がかからないということです。

近年では金利もかなり下がりましたが、それでもやはり借りる金額が大きいのと、返済期間が長くなるほど最終的に支払う利息金はバカにできません。

ただ、金利0%で貸し借りしてしまうと、贈与とみなされてしまうので、かなり低くてもいいので金利は設定しましょう。また、贈与とみなされないために、「借用書」を作成し、両者が署名押印して保管しておきましょう。

 

「借用書」には次の項目を明記します。

 

  • 借入額
  • 金利
  • 返済方法
  • 毎月の返済額(または年に何回など)
  • 支払回数
  • 返済開始日

など

 

これによって、贈与ではなく、融資であるとみなされます。

特例を適用するとどれくらい贈与税が安くなる?

中古マンション購入の際に、親から4,000万円の贈与を受けたとします。

消費税が10%で契約締結期間が2019年5月、一般住宅だとします。2,500万円までは非課税で、残りの1,500万円に対して20%の税金がかかるので、300万円が贈与税としてかかることになります。

もし住宅取得資金の特例を適用しなかった場合、税率45%、控除額265万円1,535万円の贈与税がかかるので、その差は歴然ですね。

まとめ

中古マンションを購入する際、親の援助を受けたいという人はけっこういますよね。しかし何も知らないで援助を受けてしまうと、贈与と見なされ贈与税がかかってしまいます。

贈与には非課税枠がありますし、上手く活用すれば非課税でかなりの金額を贈与することもできるので、中古マンション購入の際はぜひ活用するようにしましょう。

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