中古マンションを購入する際、欠かすことができないのが売買契約です。一度締結してしまうと簡単には解除できないので、契約時に見落としてしまうと、後から後悔してしまう可能性もありますよね。
支払う金額も大きいですし、できるだけ納得のいく条件で締結するのが理想です。
そこで、売買契約の流れや注意点などを確認しておきましょう。
中古マンションを購入する際、どのような流れで売買契約を締結するのでしょうか。
まず中古マンションを探す際、多くの人が不動産情報サイトで中古マンションを探します。もしくは不動産会社に問い合わせて、条件に合う物件がないか探してもらいます。
気に入った物件があったら、内覧に進みます。
インターネット上で見ているだけでは分からないことも多いので、実際に内覧に行ったり見学に行きます。実際に部屋の中を見るだけでなく、駅からの道のりや周辺の治安、マンションの外観や管理状態なども見ることができます。
内覧をして購入することを決めたら、購入申し込み書を提出します。
購入申し込み書だけではまだ購入は確定していません。金額や引き渡しにおいての希望などを記載し、売り手に「買いたい」ということをアピールしている段階になります。
マンションの購入において、現金一括で購入するひとは珍しいでしょう。一般的には住宅ローンを組むことになりますが、ローンには審査があります。本当にお金を毎月返してくれそうかどうか、ということを審査されますが、まだ購入が確定していないので、事前審査になります。実際に購入が決まった後で本審査になります。
実際に契約を結ぶ前に、物件の詳細情報や購入代金以外の金銭負担、契約の解除や違約金などについての説明があり、これを重要事項説明と言います。重要事項説明は売買契約と同じ日に行われることが多いですが、この時に分からないことや不明なことがあればしっかり聞くようにしましょう。
重要事項説明を受けた後に、問題がなければ売買契約を締結します。手付金を先に振り込んでおき、契約書にサインする場合もあれば、契約書にサインしてから現金や小切手を渡す場合もあり、その都度多少前後します。ここで一度契約を結んでしまうと、簡単には解除できませんし、手付金が返ってこない場合もあります。契約を結ぶ前にしっかり確認しましょう。
売買契約を締結したら、住宅ローンの本審査を申し込みます。事前審査に通っていれば基本的にあまり心配する必要はありませんが、場合によっては落ちてしまうこともあります。持病が原因だったり、会社の経営状況、規模などを見られることもあります。もし本審査に落ちてしまっても他の金融機関の住宅ローンなら審査に通ることもあります。また、返済負担が大きいとみなされてしまうと本審査に落ちる場合もあるので、返済期間を長くして、月々の返済負担を小さくするのも手です。
売買契約時に支払った手付金を引いた、残りの金額を決済し、物件の引き渡しを行います。
では、売買契約を結ぶ際に注意したほうがいいこととは何でしょうか。
売買契約を結ぶ際に注意したいのが、重要事項説明の時にしっかり下記のことを確認することです。
抵当権とは、金融機関がお金を貸す際に、もし返済が難しくなった際に、マンションを強制的に取り上げて競売にかけることができる権利のことです。住宅ローンを組んでいれば抵当権が設定されているのは普通のことですが、中古マンションの場合、売主は売却と同時にローン残債は全て返却し、抵当権も抹消する必要があります。そのため、買主は抵当権がきちんと抹消されているかどうかを確認する必要があります。ただ、マンションを売却した売却益でローン残債を返済する、という場合もあるため、購入時にはまだ抵当権が設定されていて、購入後に抹消されることもあります。その場合、その旨がきちんと重要事項説明書に記載されているか確認しましょう。
瑕疵担保責任とは、もし購入後に雨漏りや白アリ被害などがあった際、買主が一定期間は責任を持ってくれるというものです。雨漏りや白アリ被害など、内覧だけでは気がつけないものですよね。そういった瑕疵があった際、購入してすぐなのに買主の自己責任になってしまうのは負担が大きい、ということで、買主が一定期間は負担をするのが一般的。
売主が不動産会社の場合、2年は瑕疵担保責任が設定されていますが、売主が個人の場合、瑕疵担保責任を負わないという旨が記載されていることがあります。売主が個人の場合だと、一般的には3ヶ月は瑕疵担保責任を負ってくれるものですが、その旨がきちんと重要事項説明書に記載されているか確認しましょう。
もし何らかの事情で購入をキャンセルすることになった場合、売買契約に違反することになり、違約金が発生します。よくあるのは、買主の都合でキャンセルする場合は手付金をそのまま支払うことになり、売り主の都合でキャンセルする場合は、手付金を倍にして支払うというものです。そういった、契約違反に当たる行為はどんなものがあるか、その際の違約金はいくらなのか、確認しましょう。
中古マンションを購入した後、共有部分について何かルールや管理の仕方があれば、記載があります。マンションによっては管理は住人たちで行っている場合もあるので、何をどのくらいのペースで行うか、など確認しましょう。
また、管理費や修繕積立費などがいくらなのか、ということも同時に確認しておきましょう。
重要事項説明は、重要と言いながらも契約を結ぶ直前に行ったりします。法律では、契約前ならいつでもいいことになっているので、数日前でも直前でもどちらでも問題はありません。重要事項説明書の説明があった上で契約締結するということは、重要事項説明書の内容に同意した、ということになります。なんとなくよく分からなかったけどサインしてしまった、変だなと思うところがあったけどササッと説明されたのでなんとなく流してしまったという場合、後から納得できなくても通用はしません。聞きづらくても、契約前にしっかり確認しましょう。
また、もし事前にゆっくり確認しておきたいという場合は、契約日とは別日に説明を受けたい、もしくは重要事項説明書のコピーを先に送ってほしい、という旨を不動産会社に伝えてみましょう。
中古マンションの購入は、人生の中でもそう何度もあるものではないため、契約に関することも初めてでよく分からないという人も多いですよね。
しかし契約は一度結んでしまうと解除するのが難しかったり違約金が発生してしまうので、気になる点があったら契約前にしっかり確認する必要があります。
重要事項説明も契約の直前に行われる場合があるので、心配な方は別日に設定してもらったり、重要事項説明書のコピーを先に送ってもらい、余裕を持って確認するといいでしょう。