中古マンションを購入する際、マンションを売りたい人を自分で探して直接売買する人は珍しいですよね。ほとんどの人が、不動産業者を通して中古マンションを購入するのではないでしょうか。どんなマンションを購入したらいいかアドバイスももらえますし、値引き交渉に応じてくれるような場合もあるでしょう。しかし、中には詐欺を行っている会社もあるので注意が必要です。
では中古マンション購入における詐欺にはどんなものがあるのでしょうか。また、対策としてどんなことに気をつけたらいいのでしょうか。
将来的に値上がりするから、という理由で、相場より高い値段で売りつける詐欺を原野商法と言います。バブル期に流行った手法ですが、今でも被害が多い手口です。
「リゾート開発が行われる」「高速道路が建設される」「再開発される」「太陽光発電に使われる」など、時代に合わせて値上がりの理由を変えてきます。また、その開発予想図のパンフレットを作成して、より信ぴょう性を高めている場合もあるので、注意が必要です。
原野商法の対策法としては、きちんとその土地を見ることです。原野商法で使われる土地のほとんどが、足を運ばないような遠い場所に設定されています。しかし実際に見てみると、ほとんど価値がなさそうな土地であることが一目瞭然です。そうさせないために、「早くしないと他の人に買われちゃいます!」と焦らせるようなことも言ってきますが、まずは冷静になって実際にその土地を見てみるようにしましょう。
おとり広告とは、実際にはその物件は販売していないのに、問い合わせを促すために目を引くような物件を掲載することです。他の同じような条件の物件と比べて、破格の物件がれば、まずは問い合わせをしてみたくなりますよね。しかし実際には販売していない物件なので、まずは来店を促され、来店すると「すみません、その物件はすでに成約してしまったので…」と他の物件を紹介されます。おとり広告は宅建業法で厳しく禁止されていますが、実際にはおとり広告を出している不動産業者もまだあります。
対策法としては、同じ条件の他の物件と比べて、明らかに安い物件があった場合は要注意するようにしましょう。来店を促され、他の物件を勧められた場合は、その物件を気に入らない限り流されて契約をしないようにしましょう。
地面師とは、実際には所有していない土地を、所有者になりすまして売却したり担保に入れて、売却代金や借入金を騙し取る詐欺です。
印鑑証明やパスポートなど偽造してなりすましてくるだけでなく、中には弁護士や税理士と手を組んで騙してくる場合があり、そうなるとプロでも見抜くのは難しいです。実際、大手住宅メーカーである積水ハウスさんもこの詐欺に遭い、被害総額は63億円でした。それくらい巧妙に騙してきて、現状では完全に防ぐのは難しいのがこの地面師です。
大手ハウスメーカーでも気がつけない手口なので、残念ながら完全に防ぐのは難しいです。信頼できる不動産会社を紹介してもらったり、口コミなどが調べられるのであれば口コミもチェックするようにしましょう。
手付金詐欺は、手付金だけ支払い、いざ契約となった時に不動産業者と連絡がつかなくなり、手付金を持ち逃げられる詐欺です。物件の登記を確認すると、既に違う人に売られていたりします。手付金は、キリのいい100万円という場合もありますが、売買価格の10%という場合もあり、金額が高いと手付金も高くなります。
対策法としては、きちんと店舗を構えて営業をしているか、宅建業者登録があるかどうか、ということを確認することが重要です。また、契約しようとしている物件の登記が、短期間で何度も変えられている場合はあやしいと思った方がいいでしょう。
土地には、その土地によって建設の制限があります。それは法律によって決められていて、農地などは家を建ててはいけない土地があります。本来そういった土地を売る時は、業者はそのことを買主に説明しなければなりませんが、説明せずに売る詐欺業者もいます。そういった土地を購入してしまった場合、家を建てることができなくなってしまいます。
また、すでに家は建っているけど建て替えができないという土地や、家は建てられるけど水道やガスなどのライフラインは自分で引かなければならない土地というものあります。そういった土地を買ってしまうと、家が建てられなかったり、将来的に建て替えができないといったトラブルが起きてしまいます。
対策法としては不動産業者にしっかり確認することです。家を建てても大丈夫か、将来建て替えても大丈夫か、しっかり確認しましょう。また、重要事項説明書に、一般的な重要事項説明書と異なる点がないか、説明が抜けている部分がないかなども確認しましょう。
不動産詐欺に遭わないためには、それぞれの手口に注意する必要がありますが、なにより信頼できる不動産業者を選ぶことも大切です。
信頼できる不動産業者の基準としては、
といったことを基準に選ぶといいでしょう。
特に、契約を急かしてきたり、「今決めないと!」と言われた場合、一度冷静になって、不動産業者は大丈夫そうか、物件はちゃんと実在していて、登記が短期間で何度も変更されていないか、など確認するようにしましょう。
中古マンションを購入したいけど、よく分からないし不動産会社に任せよう、という姿勢は少し危険です。購入しようと思っている条件の物件が、大体相場はいくらなのか、取引をする上で購入までの流れはどうなっているのか、登記書類ではどのようなことをしっかり確認するのがいいのか、ある程度知識をつけておくことで、不動産詐欺を防ぐことにつながります。
専門用語が多く難しいと感じるかもしれませんが、詐欺に遭わないためには最低限の知識をつけたり、しっかり質問して分からないことは確認するようにしましょう。
中古マンションを購入する際、ほとんどの人が不動産業者に物件を紹介してもらいますよね。中には不動産詐欺を行っている会社もあるので、注意が必要です。実際にはない土地を売りつけられたり、値上がりするからといって高額な土地を売りつけられないように気を付けましょう。
不動産詐欺に遭わないためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
また、不動産の知識をある程度つけておくことも大切なので、中古マンション購入において分からないことや不安なことがある方は、お気軽にお問い合わせください。