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年収から見た、購入できる中古マンションの価格はどのくらい?

購入2019.10.18

中古マンションを購入しようと思った時気になるのが、自分の年収、もしくは世帯年収で見たときに、いくらまでの中古マンションなら購入できるのか、ということではないでしょうか。

できれば高いほうが、より条件に見合ったマンションを探しやすいですが、無理して購入して後々返済がキツくなるのも嫌ですよね。

では、年収から見て、どれくらいの中古マンションを購入するのがいいのでしょうか。

「年収の5倍まで」は古い?

以前は、マンションを購入するなら年収の5倍までにしたほうがいい、と言われていました。これは、1992年、当時の宮澤喜一内閣が経済計画として「生活大国5か年計画」というものを閣議決定しました。その中に、大都市圏の勤労者世帯が年収の5倍程度で良質な住宅を買えるようにする、ということを盛り込んだのです。そのため、当時は年収の5倍までならいいマンションや一戸建てが購入できる、とされていました。

 

その当時、新築マンションの首都圏平均が6,123万円、東京都区分は8,667万円で、当時の年収平均の10倍程度でした。金利は超高金利時代で、住宅購入のための借入環境も今とは大きく違いました。そのため、年収の5倍程度に抑えたほうが無理なく返済できる、とされていたのです。

今は年収の7倍までOK?

では現在、年収の何倍までなら借りても大丈夫でしょうか。現在は金利がとても低いため、ざっくり見て年収の7倍、頭金に余裕があるなら8〜10倍でも無理なく返済できると言われています。実際、年収の8倍のマンションを購入したけど、月々の返済普段はその前の家賃より安くなった、という例はたくさんあります。

 

例えば、1992年ごろ一般的だった金利と現在の金利でどれくらい返済負担が違うのか見てみましょう。

当時は、住宅ローンの主流は住宅金融公庫(旧・住宅金融公庫)でした。足りない場合は銀行ローンで補うのが一般的で、返済比率は住宅金融公庫が20%、銀行ローンが35~40%以内でした。返済比率とは、年収から見た時に年間でいくらまでなら返済ができるか、という比率です。年収1,000万円の人が毎年ローンの返済が250万円だった場合、返済比率は25%になります。


では、年収600万円だった場合、いくらのマンションが購入できたのでしょうか。

当時の年収600万円の人は、だいたい下記の金額を目安にローンを組んでいました。


種類

金利

返済比率

返済可能額

借入可能額

住宅金融公庫

5.5%

20%

10万円

1,860万円

銀行ローン

8.28%

35%

7.5万円

1,020万円

合計

-

-

-

2,880万円


 

これに頭金があればそれを足して、その金額でローンを組んでいました。頭金2割、と言われていたので、頭金2割だと720万円、合計で3,600万円のマンションが購入可能でした。そうすると、年収の6倍になります。

金利の高い銀行ローンはやめて住宅金融公庫だけで借入をするとなると、頭金2割を足すと2,325万円となり、年収の4倍以下になります。

そのため、「年収の5倍まで」という根拠はここからも来ています。

 

では現在の場合はどうでしょうか。

頭金はあまり必要なく、購入価格の9割を借入することができるようになりました。また、金利は0.6%台とかなり低くバブル期の10分の1以下です。ただ、実際の金利とは別で、融資をする際の審査では、金利3~4%で審査が行われます。この審査金利が3.15%だった場合、年収600万円の人がどれくらいの金額の中古マンションを購入できるか見てみましょう。


種類

金利

返済比率

返済可能額

借入可能額

銀行ローン

3.15%

35%

17.5万円

4,440万円

頭金1割なら購入できる価格




4,930万円(年収倍率8.2%)

実際の適用金利(0.65%)の返済額



11.8万円


実際の返済比率


24%




 

1992年ごろと同じ年収なのに、借りられる金額は1,300万円も増えています。

また、月々の返済負担額も、17.5万円→11.8万円と、5万円以上安くなっています

 

このことから分かるように、同じ年収であっても、金利によって借りられる限度も違えば、月々の返済負担額、年収倍率も大きく変わることがわかるでしょう。

ただ、現在では年収の8倍でもこのように、月々の返済負担額はそんなに高くありません。金利によって大きく変わりますし、後は頭金がいくらだせるかによっても大きく変わるでしょう。

いくら借りれるかより、いくら払えるかで決める

金利によって借りられる金額は違いますし、頭金がどれくらいあるかによって購入できる金額は大きく変わります。

それよりも重要なのは、毎月いくらなら返済できるか、ということです。こればっかりは、人によって大きく変わります。


例えば独身で、お金を自由に使える人と、家族がいて子供も多い人とでは、住宅にかけられるお金は変わってきます。また、マンションの管理費や修繕積立金は部屋の平米数によって変わるマンションが多いので、広い家を購入するほど、その負担は大きくなります。管理費や修繕積立金は住宅ローンとは別で支払うものですし、マンションによって金額も大きく変わります。


そのため、毎月住宅にかけられる費用はいくらなのか、ということをまずは明らかにするのがいいでしょう。

それも、今現在ではなく、お子さんがいる場合はお子さんの教育費が最も高くなる頃を想定し、それでも支払える金額にしておく必要があります。独身の方でも、転職をする可能性がある方は、その時に年収が下がっても支払えそうな金額を想定したりすることで、いざという時に支払えなくなるリスクを避けることができます。

もちろん全てのリスクを考えているとキリがないので、まずはお子さんがいる場合、最高で毎月どれくらい教育費がかかりそうか、その時にどれくらい住宅にお金をかけられそうか、ということを考えてみましょう。

月々の返済額から見る、借入額

月々の返済額できる金額が分かったら、そこから借入できる金額を割り出してみましょう。

割り出す際は、シミュレーターなどを利用するのがおすすめです。

 

フラッと35の返済額から借入額を計算するシミュレーターはこちら

 

毎月返済できる金額と金利、返済期間を入れるだけで、いくら借入できるか計算してくれます。

それが、無理なく借りられる金額です。

 

そこに、頭金があれば頭金を足します。

例えば、金利1.11%で、毎月の返済額が8万円、35年でローンを組むとすると、2,783万円を借りることができます。頭金として220万円を用意できるのであれば、3,000万円のマンションが購入できることになります。

忘れてはいけない初期費用

中古マンションを購入する際、購入できる金額ばかりに目がいきやすいですが、忘れてはいけないのが、最初にかかる初期費用です。

中古マンションは購入する際、不動産を介していたら仲介手数料が発生します。その他、ローン事務手数料や、登記費用など、だいたい購入価格の10%は諸費用として用意しなければなりません。それは購入代金とはまた別のものなので、用意できない場合はそれもローンを組むことになります。

しかし住宅ローンではないので金利が高いですし、返済負担を減らすためには、できれば諸費用はローンを組まずに払えるのが理想です。

ついつい計算から外してしまいがちなので、忘れないようにしましょう。

まとめ

年収から見て、いくらの中古マンションなら購入できるのか、ということはとても気になりますよね。しかし実際は、同じ年収でも毎月住宅にかけられる金額は人によって違います。お子さんがいるかいないかでも違いますし、住宅以外の趣味にかける金額など、その人によって違うでしょう。

そのため、年収ではなく、毎月いくらなら住宅ローンの返済にかけられるか、ということから、借入額を割り出すほうが、分かりやすいです。借入額が分かったら、頭金でいくら出せるのか、初期費用としてかかる金額はだいたいどれくらいで、それは別で用意できるのか、ということを考えて、計算するようにしましょう。

もし計算の仕方が分からない、計算方法が合ってるか不安、という方は、お気軽お問い合わせください。

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