中古マンションを購入したい、けどいつ購入するのがいいか分からない…と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。中古マンションは新築マンションよりは安いとはいえ、人生においては1番といっていいほどの大きな買い物です。
若い時に購入すれば、その分早くローンが終わりますが、若い時に購入するデメリットもあります。
では、中古マンションを購入するのに、最適な年齢はあるのでしょうか。
国土交通省の報告書によると、分譲マンションを購入している年齢層は下記の図のようになっています。
平成29年度の分譲マンション購入者の平均年齢は44.1歳、最も多い年齢層は30歳代となっています。50歳代の購入者が多くなってきているため、平均年齢も上がってきています。平均年齢を見ると意外と高く見えますが、一般的にマンションの購入をしている年齢層は30歳代が一番多いということになります。
ではマンション購入時の、世帯年収はどのくらいが一般的なのでしょうか。
国土交通省の報告によると、一番多いのは世帯年収400~600万円未満となっています。世帯年収なので、共働きの場合はご夫婦二人の年収を合わせたものになります。例えば、旦那さんの年収が500万円、奥さんがパートに出ていて年収100万円の場合は、世帯年収は600万円になります。
世帯年収400万円~1000万円の世帯が大部分を占めていますが、400万円未満の世帯の割合も、5年前と比べると増えています。
できるだけ若い時に購入するメリットとしては、ローンの完済がその分早くなるということです。
住宅ローンは35年が最長であることが多いですが、例えば45歳から35年ローンを組むと完済した時には80歳です。しかし25歳からローンを組めば完済時は60歳です。その後ずっとローンがかからないということを考えると、ローン完済は早いほうがいいですよね。
また、できれば働いているうちにローンを完済できたほうが安心です。もちろん、年金や退職金を充てながら返済していくことは可能ですが、早く完済できるというのは大きなメリットです。
それ以外に、早くから住宅ローンを組むということは、社会的信用が得られるというメリットもあります。住宅ローンが組めるということは、そのローンを返済できると金融機関にみなされた、ということになるので、返済能力がきちんとある、と判断されます。他のローンを組む時など、それが優位に働くでしょう。
では逆にデメリットには何があるでしょうか。デメリットとしては、自己資金が少なくなりやすい、借りられる金額が低い、ということがあるでしょう。
自己資金が少ないということは、その分借入額が大きくなります。借入額は大きくなるほど、最終的に支払う金利が高くなってしまいます。そのうえ、年収が低いほうが借りられる金額は低くなってしまうので、限られた予算の中で中古マンションを探さなければならなくなりやすいです。
もちろん、年齢に関係なく予算が限られるという条件はありますが、若いほどそれが顕著に表れやすいでしょう。特に中古マンションだと、仲介手数料などで最初に購入価格の1割程度諸費用がかかります。それも用意できていない状態だと、住宅ローンではローンが組めず、他の金利が高いローンを組んで用意しなければならないので、余計な金利を支払うことになります。
他には、特に20歳代でマンションを購入するとなると、周りから反対されやすいということもあります。まだ早いのではないか、もっといい物件が出てからでもいいのではないか、など、親族から反対されやすいです。
40歳代、50歳代で中古マンションを購入するメリットとしては、自己資金が多いということと年収が高くローンが組みやすいということです。
自己資金が多いと、その分借入額が少なくて済みますし、自己資金が多いほど予算に余裕ができるため、自分の好みに合ったマンションを探しやすくなります。
また、一般的には年齢が上がるほど年収も上がっていくので、その分ローンの審査に通りやすくなります。
若くて年収が低いと、気に入った中古マンションがあったとしても、ローンに通らず購入できない、ということもあり得ます。しかし40歳、50歳代で中古マンションを購入するなら、そういった心配が減るでしょう。
デメリットとしては、定年後の返済期間が長くなるということと、年齢によってはローンの返済期間を短くしなければならないということ、もし病気にかかっていた場合生命保険に加入できない、といったことが挙げられます。
年齢が上がるほど、ローンの完済時期は遅くなります。45歳で35年ローンを組んだとしたら、完済した時には80歳です。その分、定年退職してからの返済期間が長くなり、負担が大きくなる可能性があります。
また、ローンによっては完済時の年齢に制限があります。例えばフラット35の場合、完済時の年齢制限は80歳です。そのため、55歳の時にローンを組もうと思うと、24年ローンまでしか組むことはできません。
借入期間が短くなるほど毎月の負担額が大きくなるので、例えばお子さんがいて教育費が高くなる頃と重なると、毎月の支出が大きくなってしまうでしょう。
もし病気にかかっていた場合、生命保険に加入できないというデメリットもあります。生命保険に加入していれば、もしローンを組んでいた人が亡くなった場合、残りのローンは生命保険会社が支払ってくれます。例えば旦那さんがローンを組んで、奥さんが専業主婦だった場合、旦那さんがローン返済の途中で亡くなると、奥さんは支払えず家を出て行かなければならなくなってしまいます。しかし生命保険に加入していれば、生命保険会社が残りを払ってくれるので、奥さんはその後の住むところは心配しなくてよくなります。年齢が上がるほど病気のリスクも上がるので、病気になる前に住宅ローンを組めるのが理想です。
住宅を購入する人に30歳代が多い理由としては、ローン完済年齢の影響が大きいです。できれば退職までに、もしくは退職してから5年か10年以内にローンを完済したい、と思っている人が多いです。
もし35年ローンを組むとしたら、30歳で購入すれば65歳の時に、35歳で購入すれば70歳の時にローンを完済できます。40歳を超えてしまうと、ローンの完済時期が70歳を超えてしまうことから、できるだけ30歳代のうちに購入をしようと考える人が多いです。
40歳以上だったとしても、組めるローンの年数から逆算して購入時期を決める人が多いです。
もちろん気に入った物件があれば、それが買い時、ということもありますが、自分が今何歳で、何歳の時にローンを返し終えたいか、ということは、マンション購入のタイミングを決める一つの材料になるでしょう。
中古マンションを購入する際、最適な年齢というのは人によって違います。若ければその分ローン完済が早くなりますが、自己資金が少なかったり、年収が少なく借りられる金額も低くなりやすいです。逆に、40代50代になってからだと、自己資金も多く年収も高いため、借入額は高くしやすいですが、その分借入年数は少なくなりやすいので、毎月の負担額は増えるリスクがあります。
何歳の時に中古マンションを購入するのがいいか分からない、という方は、何歳までにローン返済を終えたいか、ということを1つの基準にすることで、何歳までに購入を決めるのがいいか分かってくるでしょう。