住宅ローンを組む時、「変動金利と固定金利どちらを選んだ方がいいですか?」といった質問をよく受けます。本を読んだりしてみても、メリット、デメリットが記載されているだけで、結局どっちが良いのかわからなかったりしますよね。私もマンションを購入した際に、そのような悩みをかかえ銀行マンやファイナンシャルプランナーなど色々な方に質問をしてみましましたが、結局納得できる回答は得られませんでした。そこで今回は住宅購入の際に変動金利を選んだAさんに変動金利を選んだ理由を聞いてみることにしました。是非、金利選択時の参考にしてみてください。
まず、Aさんは変動と固定の総支払額について、説明してくれました。
5000万円・35年の住宅ローンを組んだ時に、金利が1%変わると総支払額はどれくらい変わると思いますか?
・金利が0.5%/35年の場合:54,512,928円
・金利が1.5%/35年の場合:64,298,732円
なんと1%変わるだけで、1千万円近く変わってしまうのです。
Aさん自身もここまで変わるとは思っていなかったとのことで、こんなに変わるのであれば変動金利で支払って繰り上げ返済をした方が良いかもと思ったとのことです。
1%の金利で総支払額が大きく変わることに気づき、繰り上げ返済を考え始めたAさんですが、ご主人に「金利が上がったらどうするの?」と聞かれて困ってしまったとの事です。
そこで、Aさんは次に、過去の金利の推移を確認してみました。
出典:住宅金融支援機構ホームページ
※ 主要都市銀行のHP等により集計した金利(中央値)。変動金利は昭和59年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は平成7年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は平成9年以降のデータを掲載※ このグラフは過去の住宅ローン金利の推移を示したものであり、将来の金利動向を約束あるいは予測するものではありません
なんと大局でみると過去20年以上、金利は変わっていないのです。確か10年以上前から金利は上がる上がると言われていましたが、結局上がっていないことから、ますますAさんの気持ちは変動に傾いていきました。
ほとんど変動金利で決めようと思っているものの、心配性の性格でなかなか決断ができなかったAさん。そんなAさんを最後に後押ししたのが「金利と物価の関係」でした。google等で「金利 物価」で検索すると殆どのサイトで「一般的に物価が上昇すると、金利の上昇要因になる」と説明されています。ということは、万が一金利が上昇した時は、物価が上がっておりマンションの価値も上がっているはずである。幸いAさんの購入したマンションは都市にあるマンションですので、大きな値崩れもなさそうです。この金利と物価の関係が最後の決定打となりAさんは「総支払額」が安く済む変動金利を選んだとの事です。
なお、Aさんは最後に、「基本的には売却は考えてなく、固定金利との差分は繰り上げ返済に回せるように余裕をもった資金計画を考えていきたい」ともおっしゃっていました。
是非、皆さんも金利選択時の参考にしてみてください。